頭が悪いと、より簡単に理解する技術が重要

うつ病になってから、一時期頭が悪くなり本を読んだりしても頭に入ってこず、理解できないことがあった。

そうすると、今までどう考えていたのか考え直す必要に直面する。自分の能力としては、頭の中でイメージを簡単に操作することができるという特徴がある。しかし、一度頭の中に入った物事なら簡単に複雑な思考をすることができるが、言語を一度頭の中でイメージに変換する必要がある。

まぁ、これは、アスペルガーに由来するインプット障害によると思う。人に質問されたとき、人より反応が遅れるのは、質問を一度頭の中で整理して、その質問を考えてからこたえるため一瞬のラグが発生する。

また、イメージに変換しにくいことを理解するのが難しい。数学の高度に抽象化された理論とかは、いくら時間をかけても理解できなかった。数学者は、抽象的な議論をぽんぽん積み上げていっているが、自分とは何か見えているものが違うように感じてしまう。

とはいえ、数学は数学。どれだけ、抽象化されていようとも、定義や公理から論理的に導き出されたもので、抽象的な概念自体、より単純な概念の論理的な結合で分解できるはず。数学者は、この抽象的な概念を理解し運用する能力のレベルが高い気がする。つまり、複雑なものをそのまま理解できる能力がある。

これが、数学的論理的な訓練の結果なのか、その人自体の能力の結果なのかが問題となる。前者なら訓練によってソフトウェア的に構成できる能力。後者なら、初めから持つハードウェア的な能力だ。

どうも思うに、後者のハードウェア的な能力が天才は高い。フォン・ノイマンなんかは12歳?ぐらいで関数論を理解したといわれているが、明らかにハードウェア的な能力が高いためにできた結果だと思う。とはいえ、ハードウェア的な能力が高いから効率的にソフトウェア的な能力も伸ばせるということもある。

じゃあ、凡人はあきらめたらいいのかという話になるがそういうわけにもいかない。凡人は凡人なりの方法論を構築していけばいいのだ。もし、天才がどう考えているのかが分かっているとして、その方法通りに実行したら天才と同じ結果が出せるとしたら……というのが次の話。足りないものは自分の能力だけでなく、時間やほかのもので補えばいいだけ。